用語集(Glossary)
Kova のドキュメントで使用される主要な概念と用語の定義です。
Kova
AI エージェントに金融機能を持たせるためのオープンソース CLI プラットフォーム。ウォレット管理、policy で守られた agent モード実行を、標準化されたコマンドラインインターフェースとスキルセットとして提供します。
- CLI コマンド名:
kova - npm パッケージ:
@komlock_lab/kova - 旧名称:
acli/agent-cli(v0.1.0 でkovaに統一)
# インストール
npm install -g @komlock_lab/kova
# 実行
kova init
kova send --name my-wallet --to 0x... --amount 1.0 --token USDC --chain baseOWS(Open Wallet Standard)
クロスプラットフォームの暗号ウォレット標準。Kova はこの標準に基づいてウォレットの暗号化・鍵管理・署名を行います。
OWS が提供する機能:
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 暗号化 | AES-256-GCM 方式による秘密鍵の保護 |
| HD ウォレット | BIP-32 / BIP-44 に基づく階層的鍵導出 |
| トランザクション署名 | ECDSA(secp256k1)+ EIP-155 リプレイ対策 |
| API key | agent モード用 credential。policy hash を埋め込むことで policy 改竄を検知 |
公式サイト: openwallet.sh
関連コマンド:
kova init— ウォレット作成・OWS API key(credential)発行を含む初期セットアップ
Policy(ポリシー)
AI エージェントの操作を制限するためのルールセット。agent モード(credential 経由)のすべての操作は enforcePolicy() ガードを通過する必要があります。
ポリシーで定義可能なルール:
| ルール | 説明 | 例 |
|---|---|---|
max_value | 1 回の送金上限 | "0.1 ETH" |
spending_limit | 日次/月次の累積送金上限 | "100 USDC/day" |
allowed_chains | 許可するチェーン | ["base", "polygon"] |
sign_allowlist | 署名可能なコントラクト | アドレスのリスト |
delegate_allowlist | delegation 許可対象 | アドレスのリスト |
特徴:
- fail-closed: ルールに明示的に許可されていない操作は拒否される
- 改竄検知: API key に policy hash が埋め込まれており、policy ファイルが改竄されると
POLICY_TAMPEREDで拒否 - owner-only 管理: policy の作成・更新・削除は owner モード(passphrase 認証)でのみ実行可能
関連コマンド:
kova policy create— ポリシーの作成kova policy update— ポリシーの更新kova policy list— ポリシー一覧の表示kova policy remove— ポリシーの削除
Agent(エージェント)
Kova における「エージェント」は 2 つの文脈で使われます。
1. AI エージェント(外部ツール)
Claude Code、Codex、OpenClaw、Hermes など、Kova を子プロセスとして呼び出して操作を実行する AI ツール。kova init 後は claude 等を直接起動するだけで、kova が disk 上の credential を読み取って動作します。
2. Agent モード(認証経路)
credential(OWS API key)が設定された状態で Kova コマンドを実行する認証経路。owner モードと対比されます。
| 経路 | 認証方式 | Policy enforcement | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Owner モード | ローカル passphrase | スキップ | 人間が対話的に承認する操作 |
| Agent モード | OWS API key(credential) | enforcePolicy() で必ずチェック | 無人運用される AI エージェント |
関連コマンド:
kova init— agent モードのセットアップ(credential 発行を含む)kova launch <agent>— 環境変数を注入してエージェントを起動(任意のラッパ)kova status— 現在の認証経路を確認
Skill(スキル)
AI エージェントが自然言語の指示を kova コマンドに変換して実行するための拡張ポイント。各スキルは SKILL.md ファイルとして定義され、トリガー条件・入力バリデーション・エラーハンドリングを内包しています。
スキルの仕組み:
- AI エージェント(Claude Code 等)がユーザーの自然言語指示を受け取る
~/.claude/skills/配下のスキル定義と照合- 適切なスキルが
kovaコマンドを組み立てて実行 - 結果をユーザーに返却
公式スキル:
| スキル名 | 役割 |
|---|---|
create-wallet | ウォレット作成・管理 |
check-balance | 残高確認 |
send-tokens | トークン送金 |
swap-tokens | DEX トークンスワップ |
run-tests | 統合テスト実行 |
manage-config | 設定管理 |
関連コマンド:
kova skills install <alias>— スキルリポジトリのインストール(alias: base / morpho / jpyc / tcg)kova skills list— インストール済みスキルの一覧kova skills search [query]— 利用可能なスキルの検索kova skills update— スキルリポジトリの更新kova skills remove <alias>— スキルリポジトリの削除
その他の重要な用語
OperationKind(操作分類)
Kova のすべてのコマンドは、以下の 3 つの操作種別のいずれかに分類されます。
| 種別 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
read-only | 状態を変更しない参照操作 | balance, status, wallet info |
policy-gated | policy による制約を受ける操作 | send, call, sign, delegate |
owner-only | owner 認証が必須の管理操作 | init, policy create, skills install |
詳細は OperationKind 分類 を参照してください。
Credential
OWS API key トークン。kova init で発行され、~/.kova/config.json の profiles に保存されます。claude 等から呼ばれた新しい kova プロセスがここから直接読み取ります(kova launch を使うと KOVA_CREDENTIAL 環境変数として子プロセスへ注入します)。
Profile(プロファイル)
credential と apiKeyId のペアを保持する設定単位。ウォレットごとに作成でき、activeProfile で切り替えます。
Dry-run
send / call コマンドのデフォルト動作。トランザクションのシミュレーションのみを行い、実際のブロードキャストは --broadcast フラグを明示した場合にのみ実行されます。
Gasless(ガスレス送金)
ERC-7702 delegation を利用して、ユーザーがガス代を支払わずにトークンを送金する機能。現時点では Polygon チェーンで対応しています。kova send --gasless で利用します。
x402
HTTP ネイティブ決済プロトコル。サーバーが 402 Payment Required を返し、クライアントが支払い証明を付けてリトライする仕組み。Kova では kova pay コマンドや pay-for-service スキルで x402 対応エンドポイントへの支払いを実行します。
Plugin(プラグイン)
CLI 拡張機構。kova plugin install で追加する外部コマンドパッケージ。プラグインにより Kova の機能をサードパーティが拡張でき、インストール後は通常のサブコマンドと同様に利用できます。
call
スマートコントラクトの関数呼び出し操作(OperationKind: policy-gated の一つ)。kova call コマンドで任意のコントラクト関数を実行します。dry-run がデフォルトで、--broadcast で実行を確定します。
sign
トランザクション署名操作(OperationKind: policy-gated の一つ)。Policy の sign_allowlist で署名可能なコントラクトを制御します。agent モードでは policy に許可されたコントラクトのみ署名が可能です。
delegate
他のエージェントへの操作委任(OperationKind: policy-gated の一つ)。ERC-7702 delegation を使用し、Policy の delegate_allowlist で委任対象を制御します。
英語 / 日本語 用語対応表
| 英語 | 日本語 | 備考 |
|---|---|---|
| Kova | Kova | 固有名詞。翻訳しない |
| Open Wallet Standard (OWS) | Open Wallet Standard (OWS) | 固有名詞。翻訳しない |
| Policy | ポリシー / 支払いルール | ドキュメントでは「ポリシー」、UI では「支払いルール」 |
| Agent | エージェント | AI エージェントまたは認証経路を指す |
| Skill | スキル | AI エージェント向けの拡張ポイント |
| Credential | クレデンシャル / エージェントキー | UI では「エージェントキー」 |
| Wallet | ウォレット / アカウント | UI では「アカウント」 |
| Passphrase | パスフレーズ | 翻訳せずそのまま使用 |
| Dry-run | ドライラン / シミュレーション | |
| Broadcast | ブロードキャスト / 実送信 | |
| Owner mode | オーナーモード | |
| Agent mode | エージェントモード | |
| x402 | x402 | HTTP ネイティブ決済プロトコル。翻訳しない |
| Plugin | プラグイン | CLI 拡張パッケージ |
| call | call | OperationKind の一つ。翻訳しない |
| sign | sign | OperationKind の一つ。翻訳しない |
| delegate | delegate | OperationKind の一つ。翻訳しない |
関連リンク
- CLIコマンド概要 — 全コマンドの一覧と使用フロー
- OperationKind 分類 — 操作種別の詳細
- セキュリティ — セキュリティ設計の詳細
- Kova とは — プロジェクト概要