Multi-Chain Operations
Kovaは、1つのウォレットで複数のブロックチェーンを同時に操作できます。HDウォレット(Hierarchical Deterministic Wallet)の仕組みにより、同じシードフレーズから各チェーン用のアドレスが自動的に生成されます。
HDウォレットによるマルチチェーン対応
Kovaのウォレットは、BIP-44規格に準拠したHDウォレットです。1つのウォレットを作成するだけで、すべてのサポートチェーンで同じアドレスを使用できます。
シードフレーズ(マスターキー)
├── m/44'/60'/0'/0/0 → Ethereum アドレス
├── m/44'/60'/0'/0/0 → Base アドレス(同一)
├── m/44'/60'/0'/0/0 → Polygon アドレス(同一)
└── ...(全チェーンで共通アドレス)EVM互換チェーン(Ethereum、Base、Polygon、Arbitrum、Optimism)はすべて同じアドレス形式を使用するため、1つのアドレスで全チェーンに対応できます。
サポートチェーンとトークン対応表
メインネット
| チェーン | チェーン名 | ネイティブトークン | サポートトークン |
|---|---|---|---|
| Ethereum | ethereum | ETH | ETH, USDC, USDT, JPYC |
| Base | base | ETH | ETH, USDC, USDbC |
| Polygon | polygon | POL | POL, USDC, USDT, JPYC |
| Arbitrum | arbitrum | ETH | ETH, USDC, USDC.e, USDT |
| Optimism | optimism | ETH | ETH, USDC, USDT |
テストネット
| チェーン | チェーン名 | ネイティブトークン | 対応メインネット |
|---|---|---|---|
| Sepolia | sepolia | ETH | Ethereum |
| Base Sepolia | base-sepolia | ETH | Base |
| Polygon Amoy | polygon-amoy | POL | Polygon |
| Fuji | fuji | AVAX | Avalanche |
全チェーンの残高確認
kova balance で全サポートチェーンの残高を一覧表示できます:
kova balance出力例:
{
"ok": true,
"data": {
"rows": [
{
"chain": "ethereum",
"tokenKey": "native",
"symbol": "ETH",
"balance": "0.1",
"status": "ok"
},
{
"chain": "base",
"tokenKey": "usdc",
"symbol": "USDC",
"balance": "50.0",
"status": "ok"
},
{
"chain": "polygon",
"tokenKey": "native",
"symbol": "POL",
"balance": "10.0",
"status": "ok"
},
{
"chain": "arbitrum",
"tokenKey": "usdt",
"symbol": "USDT",
"balance": "0.0",
"status": "empty"
}
]
}
}デフォルトウォレット設定による効率化
毎回 --name オプションを指定するのが面倒な場合は、デフォルトウォレットを設定しておきましょう:
# デフォルトウォレットを設定
kova config set defaultWallet my-wallet
# 設定を確認
kova config list--chain は send など送金系コマンドで必須です。balance は無引数で全チェーンの残高を表示します:
# 全チェーンの残高確認
kova balance
# チェーンを明示して送金
kova send --name my-wallet --to 0x742d35Cc6634C0532925a3b844Bc9e7595f0bEb --amount 10 --chain base --token USDCチェーン間送金(ブリッジ)について
注意: Kovaは、チェーン間の直接送金(ブリッジ)には対応していません。
例えば、EthereumのUSDCをBaseのUSDCに移動したい場合は、Kova単体では行えません。チェーン間の資産移動には、以下のような外部ブリッジサービスを利用してください:
- Across Protocol - 低コストかつ高速なブリッジ
- Stargate Finance - LayerZero基盤のブリッジ
- Base Bridge - Base公式ブリッジ
ブリッジ後、Kovaで送金先チェーンの残高を確認してから操作を行ってください。
テストネットでの開発推奨
新しい機能を試す際は、必ずテストネットで動作確認を行ってください。テストネットのトークンは無料で取得できます:
# テストネット(Base Sepolia)を含む全チェーンの残高確認
kova balance
# テストネットで送金テスト
kova send \
--name my-wallet \
--to 0x742d35Cc6634C0532925a3b844Bc9e7595f0bEb \
--amount 1 \
--chain base-sepolia \
--token USDC \
--broadcastテストネット用フォーセット:
- Sepolia ETH: https://sepoliafaucet.com
- Base Sepolia: https://www.alchemy.com/faucets/base-sepolia
- Polygon Amoy: https://faucet.polygon.technology
ベストプラクティス
-
低コストチェーンを優先する - 日常的な操作にはBaseやPolygonを活用してください。EthereumはL2チェーンと比較してガス代が高くなる傾向があります。
-
テストネットで先に検証する - 新しいウォレットや機能を試す際は、SepoliaやBase Sepoliaで動作を確認してから、メインネットで使用してください。
-
各チェーンにネイティブトークンを保持する - ERC-20トークンの送金にはガス代(ETHまたはPOL)が必要です。各チェーンで少量のネイティブトークンを用意しておきましょう。
-
デフォルトウォレットを活用する - よく使うウォレットをデフォルトに設定することで、コマンドが簡潔になりミスを減らせます。
--chainは必須なので、操作対象のチェーンを必ず明示してください。 -
チェーンとトークンの組み合わせを確認する - トークンはチェーンによって存在しないものがあります(例: USDbCはBaseのみ)。送金前に対応表を確認してください。
関連項目
- Send and Receive - 送金・受取の基本ガイド
- CLI Commands: balance - balanceコマンドの詳細
- CLI Commands: send - sendコマンドの詳細
- Advanced Configuration - 設定の詳細